新著『インフォグラフィック制作ガイド』が完成し、予約が始まりました。そこで、今回はそれにちなんで、今の気持ちをお届けします。
今、どんな気持ち?
本を書いている時の僕は、気持ちがとても不安定だ。いや、本を書いてなくたって──そう思わないこともないけれど、やはり本を書いている時は特に不安定なんだと思う。
人付き合いも、そもそも悪いのがさらに悪くなる。何をしていても、本を完成させなければというプレッシャーがある。
それにしても、出版社のビー・エヌ・エヌさんにしても、編集を担当してくれた村田さん、伊藤さんにしても、よくもまあ長い間、執筆を待ってくれたものだと思う。
企画がスタートしたのは、2021年の途中で、書き終わったのは2024年2月。3年近くも、待ち続けてくれたのだ。感謝しかない。
その間、僕と会った人は「いま執筆の佳境で……」という言葉を聞き続けることになる。初めは「執筆の調子どうですか?」と聞いてくれた人も、次第に難航を察して、話題を避けるように。
で、それがついに完成したのである。じゃあ、例の気持ちの不安定は治ったのかと聞かれれば……まず、ポジティブなこととして、長く推敲できたおかげもあって、「あそこをこうしておけば良かった」「ああ、これを入れておきたかった」といった後悔がない(今のところは)。たいていの場合、というか必ずと言って、本に限らずコンテンツを世に出す時は手を離れた途端にどうしようもない後悔に悩まされる。ところが、それが驚くほどない。
その一方で、やり切った思いが強い故にいつも以上に別の不安がある。つまり、ちゃんと売れるんだろうか、読んだ人の役に立てるのだろうか、良い本と感じてもらえるだろうか、レビューは荒れないだろうか──ウンヌンカンヌン。
できることはすべてしたのだから、大丈夫。そうは言い切れないのは、数々の作家やミュージシャン、映画監督の嘆きを聞いていればわかります。
作り手がいくらいいものができたと思ったからと言って、それをどう感じるかは相手次第。
でもそれは僕にコントロールできることじゃないのだから、あれこれ考え過ぎずに「まずは読んでみてください」と言っていくしかない。そう考えられるほどには気持ちは落ち着いています。
ね、だからその、まずは読んでみてください。