ビジュアルシンキングのサイトで公開した新着コンテンツを、セルフライナーノーツで紹介します。
クラブのアイデンティティに
サッカーを観るのが好きだからと言って、欧州リーグの試合をすべて観るのは難しい。一試合90分。Netflixだって観たい。
差し当たって、ちゃんと観ているのは、プレミアリーグだけ。それだって、1チーム追うのでまあまあ手一杯だ。カップ戦など含めると、一週間に、2試合あるなんてことはざらで、年末年始も容赦なく試合がある。観るのもたいへんなスケジュールなのだから、選手・スタッフのコンディション管理の苦労は推して測るべし。現に多くのチームが負傷者をたくさん出している。
ということで選手の労働環境としてはどうなんだろうとも思うわけで、いくら立派なトレーニング設備があって、美味しい食事が用意されていても、過密な試合日程で怪我がちになるのではいい環境とは言えない(過密日程は、クラブの責任だけではありませんが)。
なぜ、こんな話から始めたかと言うと、今回取り上げるのがサッカークラブのB Corp取得事例だからです。B Corpは、環境や社会に配慮にした公益性の高い企業に与えられる国際的な認証で、ワーカーの労働環境を含む5つの視点──企業ガバナンス、ワーカー、コミュニティ、環境、カスタマー──で取り組みが評価されます。
B Corpを取得するには、これらを測定する基準「Bインパクトアセスメント」で80点以上を取る必要があり、一般的な企業のスコア中央値が50.9点ということなので、ちょっとの努力で取れる認証ではありません。
そんなB Corpを取得したサッカークラブがあると知って、取り上げたいと思いました。そのクラブとは、ベルギーの首都ブリュッセルが拠点のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ。日本代表の町田選手が所属し、過去には三苫薫選手のローン移籍先でもありました。
たとえばパタゴニアやクリーンカンティーン、オールバーズがB Corpを取得していますが、これらの企業にとって、「サステナブル」はアイデンティティの中核を成すものです。サッカークラブにとっても、B Corp取得はクラブのアイデンティティを示すものになるでしょう。
では、ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズはそもそもどんなクラブで、B Corp取得に向けてどんなことに取り組んできたのでしょうか。
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