『STAR WARS』シリーズ、”真”の興行収入トップは?
インフォグラフィックでお金のデータを比較する時に注意することは何か。『STAR WARS』を例に、解説します。
旧3部作 vs 続3部作
インフォグラフィックでお金のデータを昔と今で比較する際、注意が必要です。
たとえば、映画『STAR WARS』9エピソードの興行収入(北米)は、2015〜2019年に公開された続3部作がトップ3を占めています。一方で、『STAR WARS』の評価を築いた旧3部作(1977〜1983年公開)は下位に沈んでいます。
このデータを見て、近作の方が人気と考えるのは早計です。旧3部作が公開されてから、40年。物価は上昇し、映画のチケット価格は約2ドルから約9ドルになっています。
同じくらいの観客数だったとしても、物価が高い現在の方が興行収入が高く出るため、ランキングの上位は近作となり、昔の作品は下の方になってしまいます。
そこで登場するのが「調整後データ」です。これは昔のデータを、今の物価ではいくら相当になるか消費者物価指数などを使って調整したものです。
では、試しにチケット価格を2022年の物価を基準に調整すると、『STAR WARS』の興行収入はどうなるでしょうか?
旧3部作が上位に入れ替わり、見え方がだいぶ変わります。
ただ、調整前のトップだった『フォースの覚醒(エピソード7)』は調整後でも2位に入っているので、この作品の実績は揺るぎません。
『フォースの覚醒』は、ルーカスフィルムがディズニーに買収された後に作られた最初のエピソードで、ディズニーにとって重要なものでした。
📍TIPS
調整前データか調整後データか意識する
インフォグラフィックを作るにあたり、お金に関するデータを使う際は、「調整前」なのか「調整後」なのかに注目しましょう。
今回、例にした『STAR WARS』の興行収入(北米)の場合は、映画の興行収入に関するデータベース『Box Office Mojo』に調整前と調整後のデータの両方がありました。
映画の興行収入に限らず、給与やガソリン価格、食べ物の値段などお金に関するデータを何十年も前と今とで比較する際は、調整前と調整後のどちらを使うかで見え方がだいぶ変わります。
どちらを使うにしても、適切なメッセージとセットにし、ミスリードしないよう気を遣います。
今回のニュースレターは、ビジュアルシンキングの記事「昔と今のデータを比べる時の注意点」を再編集してお届けしています。