データをどう並べるか?
UNHCR(国連難民高等弁務官)のインスタに、「故郷を追われた人々」の数が1.1億人以上になったと投稿がありました。10年前の2013年末は5120万人だったのが、倍に増えているとのことです。
「故郷を追われた人々」とは、難民だけでなく、国内避難民や亡命希望者なども含み、もう少し長い言い方だと「紛争や暴力、迫害、人権侵害などにより故郷を追われた人々」といった表現になります。
「故郷を追われた人々」の内訳のひとつが「難民」であることから、インフォグラフィックではまず「故郷を追われた人々」の全体像を①〜③で伝えた後に、「難民」に関するデータを後半④⑤で伝える構成にしています。
理解を深めるプロセス
今回使ったデータは、UNHCRが例年出している「グローバル・トレンズ・レポート」と、同じくUNHCRによる公開データ「Refugee Data Finder」から得ました。
必要なデータを見つけたら、インフォグラフィックで使いそうなものを選んでスプレッドシートにまとめます。
それから、データをコピー用紙に書き出して、気になったことを書き足すなどして理解を深めていきました。
この段階では、脈絡なく情報を書き出しただけの寄せ集めになってしまっているので、次に、データをどういう順番に並べることで意味を持つのかを考えていきます。
文脈を加える
今回、ポイントになるのがウクライナに関するデータです。約2.7万人(2021年末)だったウクライナの難民が、ロシアの侵攻によって約570万人(2022年末)へと大きく増えました。
インフォグラフィックでは、いきなりその話をするのではなく、大きい話題から細かい話題へと話が進むようなデータの並べ方にしています。
こうした文脈を加える作業は、データに番号を振って、コピー用紙に書いて決めていきました。
装飾のアイデア
このように構成を考えたら、レイアウトに落とし込み、最後に、色とイラストを加えて完成となるのですが、今回はウクライナをイメージした装飾にしました。
もちろん「故郷を追われた人々」はウクライナだけの問題ではありません。ただ、使用したのが2022年末時点のデータで、ロシアのウクライナ侵攻の影響が初めて反映されたデータだったので、相応しいと考えました。
他に細かいところでは、最初に描いたイラストの顔が正面を向いていたため、ポジティブな印象に見え、旅行客のようになってしまったので、顔の向きを下向きに変えたりしています。