何を見たかったのか?
10月に「最低賃金」が改定されると知って、都道府県別の金額を知りたくなりました。東京や大阪が高いのは想像できることですが、全国で見たらどうなっているのか。傾向を見たいと思いました。
どんな地図にするか?
目的は地理的な傾向を見ることなので、地図を使うことはすぐに決まりました。地図を使う時は、リアルな地図を使うのか、それともデフォルメするのか、デフォルメする場合はどの程度抽象化するのかを考えます。
リアルな地図は、場所の詳細を伝えるのに適している一方で、地図自体の情報量も多いため、そこにさらに情報を加えると受け手の負担が大きくなります。今回の例では、最低賃金の地理的傾向がわかればいいので、細かい地図は不要です。
では、次にどれくらい抽象化するかですが、イメージしたのはアメリカ大統領選の報道でPoliticoが採用していた各州をブロックで表現した地図です。
ブロックの地図がいいのは、形が揃っていることで中身の情報の比較がしやすいこと、色分けがパターン化されて傾向を掴みやすいこと。これらが今回の目的に合っているので、この地図を選びました。
続いて考えるのはブロックのサイズです。ブロックの大きさを変えれば、量の違いを表現することも可能です。今回の例では、最低賃金の金額に応じて、ブロックのサイズを変えることが考えられます。
しかし、ブロックサイズに情報を持たせることにはデメリットもあります。ブロックの大きさがそれぞれで違うと、並びが整わないため、パターンの認識には不向きです。
さらに、最低賃金は一番高くて1,113円、一番低くて893円とレンジが狭いため、金額をブロックのサイズに反映させてもたいした大きさの差にならず、かえってノイズになってしまいます。
そこで、今回は色の濃淡で金額を表現し、ブロックサイズは均一にと思いましたが、ひとつ問題があります。北海道も同じサイズにしてしまうと、日本地図という感じがしません。そこで、例外的に北海道だけブロックを大きくし、他はサイズを揃えた地図にしました。