Vol.42:映画鑑賞ゼロに慌てて
3月末に、2025年になってまったく映画を観ていないことに気がついて、4月は意識的に映画館に行ったり、配信を観たりするようにしていました。
もちろん、映画を観るのは義務でもなんでもないのですが、日常で見聞きするのと違った世界を味わうことによって得られるものがあると思っています。
小説の場合は、視覚情報は言葉から想像することになります。漫画の場合は、視覚情報は提示されていて、動きや音を描写やコマ、オノマトペなどから想像します。それに対してアニメでは、動きや音も、映像の中で提示されます。
一方、映画の場合(特に実写)は、アニメが提示するものに加えて、やはり、そこに実際に人がいて、セットやCGもあるとは言え、建物や街に現実味があって、他の表現以上に物語の近くに行けるような気がします。
スマホでどこかの写真を見るのと、それが撮られた現地に行くのとでは体験が違うように、物語の間近に行くことで得られる特別なものがあると思います。それゆえに、この時期まで映画鑑賞ゼロだったのに慌てました。
それでポン・ジュノ監督の『ミッキー17』を皮切りに、『終わりの鳥』、『ベイビーガール』と映画館で立て続けに観て、配信でも『オールド』、『ロー・タイド』を、そして直近では『異端者の家』を映画館で観ました。
この中で特に印象深かったのが『終わりの鳥』で、A24製作であること、強烈なイメージビジュアルだったことに誘われて、前情報をできるだけ入れずに観たこともあって、ストーリーの展開が想像つかなくて、物語の終盤までザワザワした気持ちで観ていました。

映画で観ることに意味がある作品で、観終わった後も、頭の中に映像がこびりついている感じがします。
それでそれを無理やり剥がすよりは、何か別の方法で消化しようと作ったのが次のインフォグラフィックです。
主要キャストと監督がこれまで関わった映画を、メトロマップの表現に落とし込んでいます。
今回、小説、漫画、アニメ、映画の体験の違いに触れましたが、鑑賞後の映画に関するコンテンツも、要約やレビュー、考察などの他に、こういうものもあっていいじゃないかって思って作ってみました。
📚VISUALTHINKING発の本
この本では、インフォグラフィックとは何かをあらためて問い直して、他の表現との明確な違いを言葉にすることを試みました。曖昧なまま使っている人や、これから本格的に取り組みたい方にとって、インフォグラフィックの基本と実践の道標となることを目指した本です。