データのどこに魅力を感じたのか?
気候変動は話のスケールが大き過ぎるために、自分がそれにどう関与しているのか、日常レベルで捉えにくいテーマです。
暑い日が増えている実感はあっても、その主原因の温室効果ガスのこととなると、遠い話に感じてしまいがちです。
そういった意味で、今回使ったデータ「食品1kg生産するのに排出される温室効果ガスの量」は、日常と温室効果ガスを結びつける上で、良いデータだと思いました。
どう料理するか?
インフォグラフィック・デザイナーにとってデータは料理における食材のようなものです。データをどう料理して、読者のもとに届けるのかを考えます。
たとえば、今回のデータで言えば、食品ごとの温室効果ガス排出量を伝えるだけなら、棒グラフでも事足ります。
その一方で、このテーマでベーシックな棒グラフを見てくれるのは、もともと気候変動に関心が高い人に留まるような気もします。
そこで今回はデータに親しみを持ってもらえるように、お皿の大きさで温室効果ガスの排出量を示すビジュアルをメインにして、補足的にインフォグラフィックの下部に棒グラフを載せることにしました。
ここでのポイントは情報とアイキャッチの両方を兼ねることです。ただ目立てばいいというわけではなく、インフォグラフィックにおいて、グラフィックは情報としての役目を邪魔してはいけません。